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 大蓮寺永代供養墓「共命」(ぐみょう)

撮影 村岡章年
竣工:2002.10 / 所在地:大阪市天王寺区下寺町
■主要用途    墓
■構造・構法    RC造+石造
■建築面積    22.80u(6.90坪
「自然」と同じく大阪・大蓮寺の墓域に建つ集合墓。個人で契約し個人で弔われる「自然」とは異なり、「家」の墓を集合させたものである。しかし、この墓に入ることができるのは後継ぎのいない「家」、つまりこの先、墓を守るべき近親者が途絶えてしまう「家」だけである。これまで後継ぎをなくした家の墓は、やがて無縁墓となり、朽ちるにまかせた状態で墓域の片隅に放置されることが多かった。「共命」はそうした家墓を集合させ、大蓮寺によって永代供養をするために建立された。
墓域のほぼ中央、8m×4.5mの敷地に、緩やかな円弧を描いて、47区画の納骨スペースが並んでいる。墓石の背後、「自然」と平行に配置された天然スレートの壁面の内部には、先祖の遺骨を合祀する空間が設けられている。壁面の中央に建つ石柱は、さまざまな色彩とテクスチャーを持つ石板を積み上げたもので、間に挟み込まれた6枚のステンレスの無垢板は、「南無阿弥陀仏」の6文字を象徴している。
 
 大蓮寺生前個人墓「自然」(じねん)

撮影 村岡章年
竣工:2002.07 / 所在地:大阪市天王寺区下寺町
■主要用途    墓
■構造・構法    RC造
■建築面積    39.15u(11.84坪)
■延床面積    42.30u(12.80坪)
「自然」の建つ大蓮寺は、大阪中心部にある1550年に建立された浄土宗寺院で、2300uの墓域の背後には、生玉神社の森と石垣が横たわっている。「自然」は従来の日本の墓とは異なるシステムで考えられ、つくられている。日本では、墓は「家」のものであり、個人はそれぞれの属する「家」の墓に先祖代々の遺骨と一緒に弔われるのが一般的である。それに対して「自然」は、「家」とは関係なく個人ではいる墓であること、生前に自らの意思で申し込むことが基本になっている。大蓮寺では、「自然」の契約者同士が生前の交流を重ねる機会を用意するとともに、亡くなった後は永代にわたり供養をすることになっている。
高さ3m、幅18mのガラスの壁には、インド・ブッダガヤ郊外にある菩提樹の葉脈がエッチングされており、彼岸と此岸を結ぶ結界の意味を持つ。遺骨はガラスの壁の背後、床に埋め込まれた納骨スペースに収められる。1区画18cm×18cm、400区画あり、底部には玉砂利がひかれ、そこから大地へと還る。それぞれの区画を覆う大理石には、ガラス工芸家のオブジェが取り付けられている。エッチングされたガラスを通して入ってくる光は、さまざまに変化しながら、菩提樹の葉の上にある命の雫のようにガラス玉を煌かせ、一瞬の浄土を出現させる。
 
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